KeyShotに関する質問

最近よく聞かれることが多いのでKeyShotとその前バージョンともいえるBunkspeed社のHypershotとの関係について少し説明してみます。
Bunkspeed社が販売していたレイトレーシングの技術は(製品としてはU Drive→Hyper Drive→Hyper Shotに搭載されたものです)元々Luxion社(今現在KeyShotを開発、販売している会社です)の創業者であり開発者でもあるHenrik Jensenさんが作ったものです。JensenさんはMental ImageでMental Rayの開発をしていてPhoton Mappingの発案者、IBLの提唱者でもあります。(確かアカデミー賞も受賞されています)
詳しい情報は氏のウェブサイトをご覧下さい。

おそらく既に氏の頭の中にあったのでしょうが、そのアイデア基にして開発を行い製品化したのが今現在のBunkSpeedという会社になります。当初、彼らのビジネスは主にアメリカの自動車会社の一つであるF社でありレイトレーシングの技術を使った製品U Driveを納めていました。当時の製品は非常に高額なものだったのですが、高額な製品はやはり市場が狭いのか同社は価格を下げて異なるマーケットに進出します。それがHyperShotです。

Jensenさんはこの間ずっとBunkspeed社の開発先として自分の会社で(これがLuxion社です)Bunkspeed社から仕事を請けてこれらの製品を作っていたのですが両社の間に(Bunkspeed社とLuxion社)トラブルがあり袂を分かつこととなりました。正確にはBunkspeedが開発費をLuxion社に払わなかったのが原因らしいです。
この辺りの事情詳しくはこちらに書いてあります。What’s going on with HyperShot?

結果的にレンダリングエンジンがなくなってしまったBunkspeed社はMental ImageのiRayを基にGPGPUのレンダラーを開発して製品化しました。これがShotです。

一方、独立したLuxion社はHypershotを発展させた製品KeyShotをリリースしました。ここまでが今、現在までの経緯となります。

さて、では、今後どうなるか?という話ですが(これも聞かれることが多いので、ですがあくまで個人的見解という前提で)述べてみます。

最近iRay等を含めNVIDIA社はGPUを強力にプッシュしてます。(自分がグラフィックボード作っているので当たり前ですが)。Bunkspeed、Shot以外にもいくつかのプラットフォームに既に実装されています。確かにGPGPUは計算速度は速いのですがまだ発展途上で色々と問題があります。例を挙げるとコースティクスの表現はできません。ガラスの下の映り込み等ですね。論文レベルではあるのですが寡聞にして綺麗に表示されているものこちらが知る限り未だありません。やはりこれはフォトン撒かないとできませんので、現状CPU側でやるしかありません。同じ点でサブサーフェススキャタリングもそうですね。リフレクション、リフラクション以外にできないこと意外に多いのです。そのような状況を考えると100%GPUに切り替わるということは現実的には不可能だと思われます。

一方で、ラスタライズ(OpenGLなどで表現するリアルタイムと呼ばれるものです)系もそろそろ表現に限界が見えてきてます。僕等の目が慣れてきたせいかちょっと綺麗に見せようと思ったらレイトレーシングが必要になります。
レイトレーシングに関しては様々な製品があります。現状、簡易的なレイトレーシング(計算を上手く端折るタイプですね)を一番上手くやっているのがHyperShot=KeyShotでして弊社がこの製品を扱い始めたのもその辺が経緯です。Jensenさんはフォトンマッピングあたりを熟知しているのでこの先良い製品を出すだろうという期待があります。GPU側のテクノロジーも順次取り入れていくと思われます。

最後に将来を踏まえての話です。

レンダラーに関しては用途により何がベストか変わりますのでなんともいえません。ですので製品に依存するのではなくもう少し長い目で見る必要があると思います。例えばマテリアルを資産として残しておきたいなら、RGBデータとテクスチャーは色情報として取っておくとか色々と方法があります。結局の所そういった前段階での準備のほうが時間やコストがかかるものです。製造系で導入したソフトを使わなくなってしまうというのもこの辺が要因と思われます。

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