SolidWorksからのレンダリング

以前こちらのエントリーでも触れましたがSolidWorksからのレンダリングについて簡単におさらいしたいと思います。比較的問い合わせの多い項目でもあります。本家のブログでも取り上げられていたのでその流れで説明します。

KeyShotPluginをインストール

PluginをインストールするとSolidWorksインターフェース内にKeyShot3タブが作成されます。ボタン1つでモデルがKeyShotに渡ります。但し、インポート時に細かい設定を行いたい場合は通常通りKeyShotインターフェースから.sldprtや.sldasmを読み込むことも可能です。個人的にはテセレーション調整(KeyShot 3からの機能です)など細かい設定が出来るのでこちらを使う場合が多いです。KeyShot 3からはMac版でもSolidWorksファイルがサポートされています。

各パーツに色をアサイン

KeyShotはSolidWorksの色に対してパーツ分けを行います。パーツごとに色分けを行います。後からわかりやすいように色をアサインしてください。

色分けには表示パネルを活用

フィーチャーマネージャーから表示パネルを活用すると素早く色分けが可能です。パーツ/ボディの色分けも簡単です。こちらの環境はSolidWorks 2011ですが、ツリー上からパーツを選んで、右クリック、外観編集で編集を行います。

その他のTips

  • SolidWorksマテリアルは使用せず(存在する場合は消去)、“色”を使用すること
  • パーツファイルにはジオメトリー(ボディ)に異なる色をアサインしておくと、後にKeyShot上でマテリアルの変更/移動/スケールが可能になります。
  • アセンブリファイルには色をアサインせずパーツ上に行ってください。
  • ボディやフェースにアサインした色はパーツレベルのものに上書きされます。
  • パーツレベルでアサインした色はアセンブリレベルのものに上書きされます。

コツとしては“色”のみを使う。“磨かれた鋼鉄”などは使わない、アセンブリレベルでは色のアサインは行わない、となります。

さて、SolidWorksにはPhotoview 360というレンダラーがバンドルされています。modoというCGソフト(なかなかよく出来たモデラーです)を開発/販売しているLuxology社がレンダラーの部分だけを切り出してSolidWorks向けにOEM供給している製品です。KeyShotと同じくCPUを使ってレイトレーシングを行うタイプのものです。(因みに優秀なレンダラーは現状では皆CPUベースのものです)。今回ちょっと試してみたのですがSolidWorks環境内に上手く統合されており、よく出来ています。計算もKeyShotに似てピクセルごとにうまく端折るタイプのものらしくかなり早いです。もしもお手元のSolidWorksにPhotoview 360がバンドルされていて、でもあんまり使っていないという方がいらっしゃったら一度試してみてください。SolidWorksのビューポート内でレンダリングイメージが作成できるのはなかなか痛快でもあります。
下の画像がPhotoview 360でレンダリングしたものです。今回初めて触ったのですが適当にやってそれっぽいものが出来るぐらいにパラメータが絞られておりその辺りも秀逸です。

ここでPhotoview 360とKeyShotどちらが優れているか、という議論はあまり意味がないと思います。レンダリング専用のソフトはバンドル製品より高機能なのは至極当たり前のことです。KeyShotの場合はUIが簡単で機能が上手く裏に隠れているので質感を詰めて綺麗なイメージを作るという点でもおそらくバンドル製品より早く簡単に行えるかもしれません。逆にPhotoview 360のほうはパラメータを使って質感を追いこんでいく手法はちょっとキツイように感じました。ただ、そういう使い方をするユーザはほとんどいないので問題ないと思われます。それはともかく日本では現状KeyShotなどのビジュアライゼーションツールはデザイン部門が主なユーザーです。設計/製造系の分野でこの手のツールはあまり使われていないので(一方、設計者が使う解析ソフトはかなり広まってきましたが)、使うツールはなんにせよこれがきっかけでもっと盛んになればと考えています。
このモデルもGrabCAD(3Dモデルを皆でシェア-するといういわばソーシャル的なサービスを行っているサイトです)というサイトから取ってきたものですが、あちらでは設計者が結構この手のツールを使って沢山レンダリングイメージを作成しています。一度御覧になってみると面白いと思います。

新年のご挨拶に代えまして

皆様、あけましておめでとうございます(もう4日ですがw)。本年もよろしくお願い致します。当ブログでは今年もKeyShotにまつわる情報などをお届けしていきます。

さて、年の初めということで今回はやや総論的な話になりますが、ビジュアライゼーションについてちょっと考えてみたいと思います(KeyShotが扱う領域そのものですね)。去年一年このビジネスに関わってきた身として振り返ってみると、昨今の不景気にも関わらずこの分野確実に伸びてきています。ハードがより早く(安く)、ソフトウエアもより扱いやすく(安く)なってきてるのが主な要因でもあるのですが、そのような環境が整ってきているのとは別に3Dデータ、CADデータを流用することがポピュラーになってきたことも上げられます。筆者が関わるジョブにケータイやデジカメのCMがありますが、そこでも当たり前のようにCADデータが上流から降りてきます。SolidWorksの最初のバージョンがリリースされたのが確か1995年と記憶しています。3DCADがPCの上で動くようになってから約15年、やっとここまで来たか、という感じです。

で、この流れは今後も続いていきます。理由は簡単でまだまだ多くの可能性やメリットがありながら、やりきれていない、まだ手を付けていない領域が多々あるのと、ビジュアライゼーションはマーケティングの施策にとってはおそらく今後必須となるからです。オウンドメディアという言葉があります。長くなるので詳しい説明はここでは控えますが簡単にいうと新聞やテレビなどのマスメディア、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアとは違いウェブサイトなどの自分で運営するメディアと思って下さい。これを効果的にやる場合自分のメディアですから、自分のデータ(つまり3DCADデータなどのエンジニアリングデータ)をいかにうまく使うかが鍵となります。具体的にはいかに上手く3Dデータを流用するか、下流に流すかということなのですが、現状実はここが一番出来てなかったりします。自社製品があってデータがあって、で、広告やマーケティングコンテンツを作成する人がかなり下流にいる場合、なかなかこういう発想にはなりません。データの配信の部分が(全体のフローを見た場合)2012以降の最大の課題となりそうです。

考えてみれば、これは当たり前の話で、例えかなり下流で広告プロダクションなどがコンテンツを作る場合でもデザイン、製造の分野からテクスチャーはこれで行け、色はこれと予め決まっていたら非常に効率的なんですよね。PLMは製造のためのものを作るためのフローなのでマーケティングコンテンツにあわせて最適化されることはないのですが、一種の理想論として念頭におくべきだと思います。

で、これも当たり前の話なのですが、上記のデータフローを構築する場合組織が小さければ小さいほどやりやすくなります(その分リソースが少ないというトレードオフもありますが)。フットワークが軽い分、身軽な分簡単に行えます。考えてみればKeyShotの前身のBunkspeed UDRIVEもAutodesk Showcaseも最初市場に出てきた時は1,000万以上したソフトです。それが今や10万円台で買えるのですからこれを使わない手はありません。この際使い方が簡単であることがソフトを選択する際、(コスト以外で)おそらく一番重要なポイントとなります。ここをクリアしているのでこの手のソフトを今まで使ったことがないクラスタでも買ってすぐに使えるようになってきたわけです。そこではじめてどうやって使っていこうという話になるわけですが、デザインレビューやプレゼン、ウェブコンテンツなど現状でも使い道、用途はいろいろあると思います。よく情報は溢れていると言われますが実は大半はノイズで本当に必要な情報は伝わっていない場合が多いのです。ビジュアライゼーションの真の目的、効果はこのギャップを効果的に埋めることです。必要な情報を必要な人たちに(エンド、意志決定層などなど)うまく渡してあげる。レンダリングというのは一つの手段にすぎません。やっと環境が整ってきた2012年この手のツールを上手く使ってユーザには自社ビジネスを効率的に運営して欲しいと願っています。

日頃はソフトウエア周りの使用方法、tipsなどに関する記事が多いのですが、今回はちょっと趣向を変えてみました。

最も簡単な3DレンダリングソフトはKeyShot

KeyShot本家のサイトにもブログがあります。面白いエントリーいくつかあるのですが“Why KeyShot is the Easiest 3D Rendering Program Ever.”「KeyShotは何故もっとも簡単な3Dレンダリングソフトといわれているのか」という記事が目にとまりました。簡単かどうかはともかくいくつか面白いユーザ事例があります。以下に紹介します。

Klaus Rosburg / Sonic Design

「KeyShotを最初に見た時、操作が簡単なこと、ライティングやリアルなマテリアルなどの操作が簡単なことに感心しました。以前は何日もかかっていた作業がものの
1時間で終わるようになりました。」

Vitaly Bulgarov / bulgarov.com

「今まで見たレンダリングソフトの中ではもっともわかりやすく簡単なユーザーインタフェースを備えています。もう一つ大きなメリットはメッシュにUVが無い場合でも
KeyShotは自動的にUVを適用します。タイル状にテクスチャーを並べる時やバンプマップなど大抵の場合はこれでOKです」

Mixer Design Group / mixergroup.com
「以前は設定に1日、レンダリングに15時間掛かったものが10-15分でできるようになりました。KeyShotから使い始めた人にはこれがいかに凄いことかわからないかもしれません」


Pip Tompkin / piptompkin.com

「KeyShotは短時間で高品質のレンダリングイメージを作成する欠かすことの出来ないツールですが、これにより始めてデザインチームがデザインを発展させていく際、より有益で具体的なコミュニケーションを行うことが可能になりました」

これ読んでいて気づいたことが数点あります。3Dモデルがあってそれを使ってレンダリングという部分の負荷、手間、時間、コストが下がっているので非常にやりやすくなっている。結果として全体のワークフローも短縮されているというのがまず一点。それと高品質のレンダリングイメージを作成して、その後それをどうやって活かしていくかのほうが重要であることがもう一点。基本的にアウトプットを沢山出してそれを元にしたコミュニケーションを進めていくと皆様の意識も徐々に変わっていくのではないでしょうか。ハード、ソフト両方の進化でそういうことが可能になった時代でもあります。

Test Rendering 2

アメリカにGrabCADというサイトがあります。CADモデルを共有しようというソーシャルメディア的なサービスを行っているのですが(収益モデルは3Dモデリングサービスを提供する部分なのです)、そこでいくつかモデルをダウンロードできます。SolidWorksのモデルが一番多いのですが他のフォーマットのモデルも当然用意されています。

登録すれば誰でも使えるので(但し英語です。)試してみることをおすすめします。そこから落としてきたモデルを使ってレンダリングしてみました。潤いが少ないサイトですのでw、ちょっと風変わりなものを選んでみました。ロボットの目の周りにちょびっとノイズが出てますが、これはリアルタイムレンダリング設定を使っているためです。もう少しレンダリング時間を増やすと綺麗になります。因みにファイルはみなSolidWorksの形式でアセンブリ化されています。

ロボットですw。

後ろ向きのアングル。

HDRIはライティングとしてのみ使用しています。

これは戦車風のロボットですね。デカールを貼ってみました。

Test rendering

KeyShotでテストレンダリングしたものです。HDRIは出来合のものを使っています。ですのでリングの内側におかしなハイライトが走っているのはご勘弁をw。

the model is provided by T-Splines, Inc.